【人】 先代“小雪” 篠花[――昔々、その昔。 代々灯守りを輩出する家がありました。 初代小雪から続くその家は、一つの取り決めがありました。 当主は、小雪になるのは、初代様と同じ銀の髪を持つ者。 それ以外は血筋を絶やさず、銀の髪の子を産むための畑、ないし種。 濃い血を残すため、近親婚を繰り返していきました。 しかしそんな思惑とは裏腹に、銀の髪の子が生まれる感覚は10年、20年…と、 緩やかに長くなっていきました。 だから、僕は。直系に銀の髪の子が生まれなかったこともあり。 傍系にも関わらず、生まれた時から直系へと養子へ。 そして厳しい先代のもとで次期小雪として仕事を覚えるようにと言われました。 僕はちょっと変わっていたのでしょう。 本当の親を父母と呼べないだとか、他の子どもと同じように遊べないとか、 自分にかかる期待とか、普通の子供より多い勉学量とか。 それ自体を負担と思ったことはありませんでした。 ただ適当にやっててもできてしまうので、つまらないな。と思っていました。 そしてそのまま大人となった年、一人の子供が生まれました。 数代ぶりに直系のもとに生まれた銀の髪の子。 次代が生まれたのであれば、その成長を見守り、教育しないといけない。 そんな使命のもと、直系一族のもとに向かった先にいたのは。 僕を見てふにゃりと笑う、無垢すぎる赤子でした。 それが、20歳年下の"妹"との出会いだったのです。**] (156) 2022/01/17(Mon) 0:08:43 |