【人】 事務員 深瀬賢―事務室― 「んむ、美味しい。 また一段と腕をあげましたね。」 ソファに腰かけ、クレープを頬張る。 最近、病院の近くに出来たクレープ屋>>72。 何を隠そう、あの店のパティシエは「宵月」の卒業生であり、そしてクレープの作り方を教えたのが私なのだ。 元々は、生徒に振舞うちょっとした息抜きとして始めた。 これが意外と好評で、段々と種類が増えていき、今ではちょっと有名なお店のレベルまでになってしまった。 「ちゃんと頑張ってくれているようで、私も嬉しいですよ。」 このクレープは、とうに私の味を超えている。 きっと、卒業した後も努力を重ねたのだろう。 しっかりと最後まで食べきり、軽く伸びをしたら、また仕事へ戻るとしよう。 (156) 2024/11/11(Mon) 19:24:41 |