【人】 舞台役者 ヴィクトル─ 現在・車中 ─ [ 助手席で眠る友の様子を時折眺め運転を続け、早数十分。 車中はラジオの音声と音楽が流れ続けるのみ。 眠ったことに気付けば音量を下げる。 エンジン音はデフォルトで小さい。 先程、レクチャーを受けた各機能のことを思い返す。 ( ──普通の二十代が新車で買うには 結構な出費になるんだろうな。 ) 己の車といえば、劇団員時代に譲り受けた中古の安物だ。 壊れてはいないから動く、使うならやると言われ使い続け早数年。 異音が時折発生し、助手席のリクライニングは倒れないが 一人で使う分には特に気にならなかった。 それに当時は街中に住んでいたので、車に乗る必要が あまり無かったのもある。] (158) 2019/04/14(Sun) 17:30:41 |