【人】 陶酔 カナ―いつかの日・タチバナと― [>>0:218同胞であるタチバナを認識したのは、彼女と同じく医院がその役割を停止した後だ。 生前、調子のよい日には車椅子に乗せられてフロア内の踊り場で日光浴をする事があった。 鉄格子があるので、開放感とは程遠いが。 タチバナが廊下を通る事があったなら、看護師の挨拶に続くようにして挨拶をした事くらいはあったかもしれない。] こんにちは。 [自身の拘束された手足を見て驚いた顔をした彼女に、女は笑顔で挨拶をした。 拘束具などまるで気にしていないように。 ベッドから足を下ろし、床に足を下ろせば、拘束具は音もなく消える。 女はそれを不思議とも感じない。] (160) 2022/08/12(Fri) 23:55:24 |