>>a53 御山洗
「もう大人になって結構たったのに、こんなふうに浮かれちゃう。
スイカ。ありがとうございます、御山お兄さん」
恥ずかしげに目を伏せて、スイカをくれたお礼を告げる。
見間違えるわけもない、逞しくなった身体に、わずかに見える目元。
昔から見上げていた背中はもっと大きくなっていた。
「ちょっとだけ、ドキっとしちゃいました。
夕凪たちにとって年上の皆さんは憧れの存在で……思い出すたび夜凪とよく話していたんです。おかげで実際に目にしたら、こんなに舞い上がっちゃって。
帰ってからたくさん自慢しようとおもいました」