【人】 舞台役者 ヴィクトル[ 眠り続け、更に数十分が経過した。 起こさぬよう音には気を払っていたが、沈黙が寂しくなる頃。 眠れる王子様の瞳は未だ開かず、耳を澄ませば寝息も聞こえる。 再び、ちらりと横目で表情を覗き込めば──── 思わずはっ、と息を飲む。 見慣れた顔なのに──……やはり綺麗だ。 なかなか鮮明に見えぬ赤紫の瞳は、それ以上に美しいが 閉じても長い睫毛に筋の通った目鼻立ち、小柄な体躯。 まさに白皙の美青年という言葉がしっくり来る。] [ 家族の話を振られ、そういえばリーの家族のことは 余り知らなかったと思い出す。弟がいるとは聞いていたが。 既に隠すような間柄でも無い。 どうせ俺も、奴と似たようなものを抱えている存在だ。 故に話が聞きたければ隠すつもりも毛頭無いのだが、 楽しさに明け暮れていた今する話では無いな、と止めたのみ。 それこそ、旅行が終わった後。 リーの家に寄った時>>118にでも語ろうか。] (161) 2019/04/14(Sun) 17:30:53 |