【人】 半淫魔 メレフー後日談 閑話 これから大人になる君へー [オイルランプの僅かな高原だけを頼りに、手紙をしたためる。 傍には書き損じた何枚もの紙の束と、小さな箱と、ワインとグラス。 生憎、このような贈り物は不慣れで、本当にこれで良いか何度も首を捻り、文言を見返して、そして気に入らずに紙を丸めて放り捨て、紙束の山をより高くする。 結局書き上げた頃には、オイルランプの灯りは切れて、部屋の窓から日の光が差し込んでいる有り様だった。 さて、この手紙と贈り物はどうやって渡そうか。 本人に渡すのは照れ臭い、さりとて信用できない人物に渡せない。 ーーイクリールであれば、きっと適任であろう。 そう思い至り、手紙と荷物を纏めて、さっさと部屋を後にするのだった。] (161) 2021/12/16(Thu) 12:34:50 |