人狼物語 三日月国

69 【R18RP】乾いた風の向こうへ


【人】 宵闇 ヴェレス

 次の冬には君が満足する暖房設備を準備しておくよ。

[ 朗らかに>>128、けれどやはり北国以外の暖房設備が許し難いといった彼の様子に、寝台に横たわりながら噛み殺すに似た笑いは伝わったろうか。

 北国の冬は下手に空調に手を抜くと死につながる。
 自分も元は北方の出であるから、長い冬を宅内で快適に過ごそうとする文化は承知しており、彼の言いたいことはわかるのだが、それでも初めて出会ったのは春から初夏であったから、その冬に彼が訪れた時の、室内で暫く外套を手放さなかった理由には目を丸くした。
 自分が寒さに強いと言うより無頓着であったせいもあり、不自由をさせたのを恐縮したものだ。

 また来る、と 旅立つ時に彼は言った。その言葉通り、纏まった休みが取れると、そうでなくとも旅の所用で近くを通りすがる事があれば、彼は自分の元へ顔を出してくれた。

 また次に会う時、と約束に約束を繋ぐようなところがふたりにはあり、この旅行も以前の旅行の合間に約束したものだ。
 次の冬もダンテが訪れてくれる。それを言外に望みとして滲ませている。

 言葉はすぐに寝息に変わった。]*
(162) ameya 2021/04/16(Fri) 22:43:42