人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【人】 法の下に イレネオ

>>141 ダヴィード

親がいないのだ、と、聞いたことはあっただろうか。
なくとも、ある程度察してはいるはず。端々に滲む貴方の生活に、貴方以外の人間の存在が垣間見えることはない。それはきっと、男が貴方を気にかける理由の一つだった。

「温かい飯って、どうしてあんなに美味いんだろうな。」
「冷たい飯がまずいってわけじゃないが。」
「お高い冷製パスタだとか冷製スープより、安くて熱いミネストローネの方が美味い。」

なら自分が作ってやろう。この男がそんな風に言うような人間なら、今頃貴方の素性にまで踏み込んでいたはずだ。
生憎そんなタイプではないから、話題は食事の温度に終始する。

「はは、まるでmicio子猫だ。」

風呂が嫌だったと聞けば笑ったんだろう。草臥れた容姿も、一拍置いて威嚇するような態度も、そういえば、あの可愛らしく凶暴な獣によく似ていた気がした。
であるからには、自分が声をかけずとも、貴方はしぶとく生き抜いていたのだろう。とはいえ、人が生きるのは獣が生きるより容易く、困難だ。

「いいよ。店員に頼んで切ってもらおう。」
飲み物ミルクも貰うか?」

#商店街
(162) 2023/09/11(Mon) 1:24:25