【人】 IX『隠者』 アリア[ 彼亡き後を継いで森の『魔女』となる。 証持ちでなければそんな未来もあったかもしれない。 いや、そもそも捨てられることさえなかったのだから それは元より存在し得ない可能性の枝なのだろうか。 独りになって程なくして、洋館からの迎えが来た。 人好きのする笑顔が印象的な『魔術師』の青年だ。 成長しても、少女はまだ少女だった。 そして。自分の身ひとつ守るのも手に余るのに、 証持ちが一人で暮らし続けるのは危険なのだと、 正しく理解できる程度には、聡かった。 故にその導きに従い、今は洋館で暮らしている。 きっと珍しくもない、ほんの昔話だ。 ] (162) 2022/12/11(Sun) 18:27:11 |