【人】 天原 珠月[幼馴染の彼>>155>>156はゆっくりと話してくれる。 慌てて何言ってるか分からない自分を待ってくれる。 そういうところに、私の優しいお兄ちゃん、とだけ思えなくなったのはいつからだったろう。 先に逸らしてしまった視線。 負けちゃったなぁ。 最初から勝ち目なんてなかったと思うけれど。 自分の幼馴染は穏やかでなんでも許してくれるように見えるかもしれないが、実はこういう時に折れたりはしないのだ。 こちらのことを分かっているからこそ。 強がりも、弱気さも、ちゃんと受け取るからこそ。] ……信じるに決まってる。 雅空兄ぃは絶対私のこと待ってくれてるって。 [だって、自分が何より幼馴染の元へ帰りたかった。 そして幼馴染と自分ははなんの躊躇いもなくそう信じさせるように、ずっとずっと向き合って時間を過ごしてきた。 今伝え合っているこの気持ちは隠していたとしても。] (163) 2023/03/13(Mon) 1:50:53 |