【人】 宵闇 ヴェレス[ 自分と同様、ダンテも滞在の間見回るところを店員に尋ね、商店で聞いた魔法を織り込んだ布を扱う職人の店を気にしているようだ。 旅が多い彼なので、利便高い品があるなら見てみたいのかもしれない。 それから王宮は警備が厳しく見学することは出来ないが、外から見てもそれは壮麗な造りだという。確かに、此処への道すがら幾筋か向こうであっても煌々と灯された燈籠の光は漏れ、一角は粛然とした雰囲気を醸し出していた。] ご馳走様、此方にいる間にできればまた来ます。 [ そうして席を辞そうとする頃には、自分たちの他に客はもう一組、二組しかいなかった。 飲み比べの結果は、勝てる気がしない、とダンテの言葉で締め括られたが、足元は確かで>>158、実際張り合うような呑み方はしていなかった。 彼も宿に戻るまでの道行きを気にしていたのだろう。] ほんとに強いね、あのお酒。 [ 自分もワインの1本、2本くらいなら平常の様だが、アラックの方が幾らか酔いを巡らせた。度数が強い故というより、独特の風味と口当たりで、どれほど呑んでいるのか見当が付きにくい事が理由だろう。 歩みが危うい程ではない癖、許可もなく彼の腕を取り、宿への帰路を辿る。]** (164) 2021/04/19(Mon) 2:01:41 |