【人】 宵闇 ヴェレス[ 寝穢い質である方は自覚している。寝入って間もなく、ルームサービスが訪れたことも、ダンテが浴室に湯を溜める音>>129にも眠りを妨げられることなく寝息を立てた。 靴音を吸い取る柔らかな絨毯、厚い壁と、宿銭に見合う設備もあっただろう。 ダンテは宿に着いた時よりも幾分小ざっぱりとした様子で、自分が起きた様子を認めると長椅子より身を起こし手にしていたメモ帳を閉じた。 自分が寝入った後、外出した様子はない。窓際の卓に、空になったサンドウィッチの皿がそのままになっている。] それはいいんだけど。 [ 酸味のある白ワインは冷えておらずとも喉の乾きを癒すと共に爽やかに口を濯ぎ、すぐに空にしたグラスにまた半分ほど酒精を満たした。] 退屈じゃなかった? [ 眠っていたとは知らずそう問う。寝台には自分以外が横たわった形跡がないからだ。本を読んだり、書き付けをしたり、街に出回ったり、太陽の高い時刻自分が寝入っている間も彼がひとりで時間を使えるのは知っている。 けれど折角の旅先であるというのにだ。] (166) 2021/04/16(Fri) 23:29:32 |