【人】 転校生 矢川 誠壱「イチ、ありがと。イチが入ってくれたから、 俺らは今ここに立ててる。 ────イチで、よかった。」 [ そういって、にかっと笑うから。 泣きそうに眉根を寄せて、微笑んだ。] 俺の方こそ。ありがとな、みんな。 [ たった、1ヶ月だ。彼らと共に過ごしたのは。 己の人生において音楽は必要不可欠だし、 いつだって共にあったものだけれど。 ひとりで、弾くことも多かった。 もちろん、バンドを組んでいた頃も あったにはあったけれど。 それでも、こんなにも短い期間で、 こんなにも濃厚な時間を、 こんなにも楽しく共有できたのは きっと後にも先にも今回だけだろう。 ただ、ひたすら、走った日々。 これからの話は、まだなにもしてない。] (166) 2020/06/19(Fri) 7:52:59 |