【人】 水子たちの霊 ヒルコ―それから 精神病棟― 「―〜~※―Ж――♪」 生ぬるさを感じる湿気と、張り詰めるような静けさが満たす病棟内に、いつかの日より整った歌声が響く。 『私』は、またカナおねぇさんに歌を強請りに、再び彼女の病室を訪れていた。 傍らには黒い大きなビニル袋がいくつか、まだうめき声をあげている。 「これだけ■■さんが居たら、おねぇさんもいっぱい歌えるよね。 『アタシ』、もっとおねぇさんの歌が聞きたいんだ。」 その為に用意した■■さん達。 彼らは『私達』に「優しくない」、要は「どう扱おうが一切心の痛まない者たち」を集めた。 カナおねぇさんも、■■さんは多くいた方がいい>>46と考えていることは知っていたから、なるべく多くを狩ってきた。 (172) 2022/08/13(Sat) 0:52:07 |