【人】 ローグ ギュルセル[そうしながら、男はあのとき酒場で仲間に受けた視線の意味を悟った。>>6 ──そうか。そうだったな……。 指名手配に及ぶほどの略奪行為のうち、男が弱者を慰み者にしたのはごくわずか。>>0:13 そんな時間のかかることをやっていたらあっという間にお縄につくと、意図的に避けていたはずの行為だった。 それを当たり前のように行うようになっていたのだと気付くと同時、ありえない味と匂いをした精が男の変質を訴えた。 とうとう本物の獣に堕ちるのか、それとも別の何かか。 何と確証は持てないものの、これから人間ではなくなれると確証を持てたとき、男はふっと心が楽になるのを感じた。鎖から解き放たれるかのように] (174) 2021/05/06(Thu) 21:07:19 |