【人】 3年生 黒崎 柚樹[覆い被さっている武藤の脚を除けるように自分の脚が緩く開いてしまっていることにも気付いてしまい、そんな事にも赤面する。 いずれは、その、そっちの服も脱がなきゃいけないわけで。 今どころじゃない場所に触れられたりしなきゃいけない、わけで。 正直、怖いし、緊張もしている。 居たたまれなさも、いや増すばかりでは、あるけれど。 全然お返しにもなってないとは思いつつ、背に回っていた左手で、武藤の髪をくしゃりと撫でた。 身体が跳ねて吐息が熱くなるのが止まらないのは、武藤が首筋の、くすぐったいのか何なのかわからない、ぞくぞくするところに唇を何度も落としてくるからでもあったから。] む、と……。 キス、したい。 [おかしな声を漏らさないためにはこうするのが一番なんじゃと思ったのだけど、今度は跳ねる吐息を逃がせなくなって、ひくりと震える舌先までまるで愛撫されてるみたいになってしまい、視界が薄く水膜を張ったみたいになっていく。 でも、見られてはいないにせよ、私に触れても武藤は変わらず私のこと、欲しいと思ってくれてるんだなと、それは全然疑いようもなかったから、嬉しかった。*] (176) 2022/09/18(Sun) 11:44:16 |