【人】 味覚喪失 ラグナ俺には家族はいない。 持っているものは何も無く、 生きる為に…助かる為にここに来た。 [隠す程の理由でも無いからこそ軽く口を付く。言い淀んだのは、それこそ「何も無かった」からだ。ただ自分の為に、ただ次の日を生きる為だけに此処に来た。>>154>>155 今真っすぐに見据えている相手と重さが違う。 向こうの方が、重く思えた。 報奨金の行方もわからない。誰かに、何処かにと告げもしなかったから、勝手に使われでもしていない限りそのまま自分の物として貯め置かれているのだろうが。此処から出れなければ宙に浮いたままの『無駄な金』であり、『誰をも救わぬ長物』だ。 自身を犠牲にし、実際に人を救った物と比べたらどれだけ空しいものだろう。 悲観ではなく、ありのままの事実として。] (176) 2024/08/28(Wed) 20:41:33 |