【人】 おかえり 御山洗>>1:174 宵闇 「……とりあえずどれくらい元気か見守ってから、倒れたらおぶって帰るかな……」 まさか。やるのか。やりかねない。御山洗はあまり冗談が通じる方ではなかった。 急に少年の心に目覚めて髪置と競争を始めて、力尽きる姿を想像する。可能性を捨てきれない。 もしくは急にムキになって一人でやり遂げようとするところまで瞼の裏に浮かんだ。 「俺も、帰ってこれてよかったよ。 子どもたちが寝静まった頃にでも、大人集めて飲もうか。 あんまり羽目を外して、雅也さんに窘められない程度にさ」 嘆息するような一言は、心よりの感慨が泣きそうなくらい込められていた。 さておき、面倒見のいい鬼走ならちょっとやそっとじゃ怒らないまでも、呆れられはするだろう。 ちゃんとした大人になったところを見せないといけないな、なんて思う。 (176) 2021/08/10(Tue) 19:16:35 |