【人】 3年生 黒崎 柚樹[夜なのか昼なのか、青い空に白い月。 笛を吹く、シルエットのような黒い女、纏わり付く黒い蛇。 傍らに佇む、置物のようなのっぺりとした色調の南国の鳥の背後には、同じくのっぺりとした色彩の、草や木々が色濃く繁っていて。 色鮮やかなのにどこか沈んだ雰囲気で、葉の擦れる音や蒸し暑さや甘い大気の匂いまで伝わってきそうな描写なのに、不思議と、孤独を感じさせる絵。 その奇妙なアンバランスさに、心惹かれた。 企画展タイトルの"静謐"が、胸の底にすとんと落ちてくる感じがした。 視線を落とすと、『蛇使いの女 アンリ・ルソー』の文字。 遥か昔、美術の教科書で見た名前だったような気もするから、これもおそらく複製画なのだろうけれど。**] (178) 2022/09/02(Fri) 7:35:44 |