【人】 仕立て屋 アルジャーノン[庶民のものにしては些か高価な召し物の2人にすっかりテンションをあげながら、店主は続ける そそっかしいところのある彼には、日暮れの男女を初対面とは露も疑わず] さささ、奥さまはこちらのチェアへどうぞ。 旦那さまはそちら、ボクのソファへお掛けくださいな。 あ、このお茶。おいしいのでどうぞぜひ。猫舌なので温くても失敬、です。 [手刷けでチェアの埃を払い、空いた手ではソファの布団を奥へ投げやりながら今週最初のお客様へと紅茶を注いで回る。] えー、まずは奥さま。 レディメイドですが珍しい品も入っています。 こちら、東の国より仕入れた祭りごとの正装で『ユカタ』というものです。 まだ前夜祭だという事であれば、そうですねぇ。本日はお直しにしておきましょうか? [彼女>>149がユカタを選べば試着室へ案内するだろう。 お直しを御所望とあらば、無造作に戸棚へと手をやり、元のドレスとよく似た生地を取り出し、くるぅりと彼女の腰へ巻き付ければ一心不乱に縫い進めるだろう。] (179) 2020/05/12(Tue) 22:47:04 |