【人】 3年生 武藤景虎──少し未来の屋上で── [女子として意識してることを表すのを避けていたのは、女扱いして裏切るみたいな気持ちになるのがやだったからもあるけど、嫌悪感を抱かれたくないというのもあって。 それでも抱き寄せた時、嫌がられたらどうしようとは不思議と思わなかった。>>135 所謂女性らしい柔らかではないけど、男友達に組み付いたりノリでハグしたりとかする時とはやっぱり違うとは思うし、何だか良い匂いがする気がする。 改めての告白には今更みたいに実感とか嬉しいとか湧いてきて、くっきーの腕が自分の背中に躊躇いがちに触れるとまた一つ心臓が跳ねた。>>136 そこに「でも」が続くのは予想外で、先程までに何度か聞いた「無理」に胸が抉られる気がした。] ……? な、なんで? [我ながら相当情けない声音だったと思う。 オレはくっきーを好きで、彼女もそうだと言う。 それが何故無理になるんだろう。 多少潔癖なのかとは思ってたけど。 それなら回された腕は一体、とか。 困惑してたら告げられた理由はオレにとってはやっぱり不可解なもので。>>137] (180) 2022/09/09(Fri) 3:03:19 |