
![]() | 【人】 痛覚喪失 アルマ― 昼 ― [ 朝食を終えた後も、女はそのまま食堂に留まった。 外に出ても特段することが浮かばなかったし、 食堂は余程でなければ他の者が自然と訪う場所だ。 結局その頃になっても、神官に声はかけなかったが 指先からはすっかり血も止まっている。 ────しかし。 動かなければ、昼時に腹が減るということもなく 食欲もあまり湧きはしないものだ。 人は食べねば飢えてしまう。 腹を満たせないことの惨めさや痛みの何たるかを、 女は記憶の中で覚えていた。 ] (182) 2024/08/25(Sun) 15:08:31 |