【人】 生物学者 アマノ[サダルの謎の圧に押され、俺は本を渡されるまま、最後は呆然とした表情を顔面に貼り付かせたままカウンセリングルームの前に佇んでいた。 正直なところ、その中の1冊の表紙タイトルにあった『魅惑の小松菜の煮浸しfood』は少し気になった。 料理というものは待機の時間も案外にあったりするから、まあ多少の暇つぶしにはなるかな、などと思い、彼の厚意を有り難く受け取ることにした────のだけど。] は……?────なんだ、これ。 [自室に一度戻ったところで、サイズは同じながら厚さの異なる1冊があることに気がついた。 引き出してみれば、『制服の恋物語』。] な、んだ、これ……………………。 [指先で本をつまみ上げ、俺は絶句したのだった。*] (183) 2022/07/13(Wed) 19:53:48 |