【人】 夕凪「その節は、お世話になりました。 散々面倒を見てもらった恩は忘れていません。 とがっていたというわけではないのです、柔らかいって表現も。 ……昔より優しい感じがして、素敵だと褒めています」 ほんの少しだけ誤魔化しました。 気さくに気にかけてくれたり助けてくれた清お兄さんは、 なんだか都会に染まってしまったような、社会人の一面を見ているような。 営業スマイルと例えてしまえばいいのか、そんな物を感じてしまって。 気のせいであればいいと、思いました。 「はい、その通り。クールなお忍びアーティスト。 でもみんなと話してるのを聞いたら変わらない宵お兄さんのまま。 あ、……だけど本当にアーティストだったなんて、知らなくってごめんなさい。 曲は、あとで演奏してもらえますか?」 二人とも芸能人みたいだと、憧れの視界を口にした。 (184) 2021/08/10(Tue) 20:11:09 |