【人】 鬼走― 宿 『冬限郷』 ― [都心部に住む自分は、大量の雪を見ることはない。 しんしんと降る雪は、音すらも吸い取るようで。 そこに沈む宿は幻想的と言ってしまえば陳腐に映るほど。 歳末抽選会で当たって貰った旅行宿泊券には、招待状とか書いてあって>>2、最近は差別化を図るために旅行会社も大変なんだなと思う。 着いた場所では子供が接客をしてくれてとても可愛らしくて。 口調は砕けてはいるが、でもウエルカムな雰囲気を出してくれているのが嬉しい。 浴衣に作務衣があるらしい。>>3 浴衣……彼がプレゼントしてくれたものを思いだし、それを着てしたことを思いだして、耳まで赤くなったところを、彼が視線を投げかけてきて、驚いて顔をそらしてしまう] 温泉かぁ、久しぶりだな。 [誤魔化すように、そう呟いた。 思った以上に上質な温泉なようで、話をきいただけでもほくほくしている。 彼はそれこそ狐につままれたような顔をしているが、狐でも狸でもこの幸せを作ってくれる存在なら誰でもいいと思った] うん、ほんとラッキーだったな。 温泉が当たったことも、休みが二人ともかち合えたことも。 [どこかの神様の配慮かな、そう笑うけれど意外とそれが本当に近いことにまるで気づいていなかった*] (190) 2020/12/28(Mon) 8:43:49 |