![]() | 【人】 日本舞踏家 月嶺 澄翔 ──「鈴の音がよく響きます」 ──「昨夜磨いた甲斐がありました」 「音は心を整える」── 「おまえの手が入ればなおさらだ」── ──「舞は、今朝は短く、しめやかに」 「それで良い」── 「静かな朝には静かな舞が合う」── [灯明の火が小さく照らす神殿、玉串を捧げ持った貞親が神前へと進む。 低く、揺らぎのない声が祝詞を紡ぎ、その祝詞が結びに至ると、間を置かずに篝が神前へと進み出る。 鈴の音が朝の冷気を割り、袖が白く流れ、舞が始まり。 隕石の脅威は遠い彼方の出来事のよう。 ただ、ふたりの祈りだけが、この場を満たす、そんなシーンが撮影の最初で良かったのかもしれない。] (196) Valkyrie 2025/08/13(Wed) 21:02:49 |