【人】 1年生 朝霞 純>>195 一番はそうかな。好意が同じものか分からない。少なくとも同じものでないと思った。 彼は私に、一番に心配してほしいと言った。 私は彼の一番になりたいと思ったことはないの。 そして、彼を一番大切な人に出来る気がしなかった。 私は家族が大切で、研究室の皆が大切。勿論、工藤さん、あなたのことも。 向ける好意が何かは分からないけれど、その人たちを私は確かに好いていて、そこに順列はない。 それぞれをそれぞれの理由で好きで、その好意が実際何であったとしても、好きならいいと思った。 でも、好きな人ってその全てに優先されるものなんだと思う。 だから私は、違うと思った。 相手を一番に出来ない人が、相手の一番になるのはとても狡いことで。 自分だけ、相手に向ける好意が他の人と区別がつかなくても許される、だなんて。 そんなことないでしょう? 彼の好意を受け取ってしまったら、彼は他の人と一緒にいる機会を無くすのかもしれない。 彼のことを一番に出来ない私のせいで、その機会が失われるのは嫌だった。 だから、彼を一番にしてくれる人を見つけてほしかった。 (196) 2022/09/11(Sun) 7:28:32 |