【人】 兎系 ニア>>166 >>169 >>170 シトゥラ 青年の声が途切れる。 少女を撫ぜる手が離される。 もう――随分と多く、もらいすぎてしまった。 尽くされた言葉、幾度も触れてくれた手。 愛情にご馳走様も言わない不作法は、もうおわり。 少女は口を開く。 目の前の彼に届くのならば、誰に見られたって構わない。 ログ いつかの未来、この記録を見て、 恥ずかしい思いをすることになったとしても。 眉を顰められたって、囃されたって、伝えなければならない。 「――うるさくも胡散臭くもないあんたって、 こちらの調子が狂うわね。いつもの調子はどうしたの?」 けれど、少女は素直じゃないものだから。 はじめに出たのはそんな言葉。 (→) (197) 2021/05/01(Sat) 15:32:34 |