【人】 1年生 工藤美郷──会話の後── では私もレストランに向かいます。 オムライスとおにぎりは先輩が食べればいい。 [と言いながら足を向けようとしたとき、工藤はふと口を噤むと、] 津崎先輩がこちらに来ていますね。>>183 合流しますか。 [当たり前のように言った。 まだそれは、足音もまだ遠く、耳鳴りと勘違いしてしまうほどかすかな時。 だが工藤は耳に聞こえる足音の癖や、履いていた靴の素材からそう推察できた。 工藤には実体の無いものが分からない。 その代わり、実態のあるものを感じ取る能力は、人一倍優れていた。 やがて、「コイ先輩?」と呼びかける声も聞こえてきたか。]** (197) 2022/09/09(Fri) 7:14:26 |