人狼物語 三日月国

203 三月うさぎの不思議なテーブル


【人】 店員 ミスミ

(冬が来たらカウル出したいな)

[一皿出し終えたところで軽くコンロ回りを片付け、整えながらアイリッシュシチューを羨ましく思った気持ちが懐かしい料理を思い出す。
自分の料理の大半はばあちゃんから教わった料理が基礎になっているけれど、これは義母が初めて自分に教えてくれた料理だ。
イギリスについて暫く、ロンドンの味にどうも慣れなかった子供の時分に、ウェールズにルーツを持つ彼女が出してくれたもの。
大仁田ネギにも似て太くて濃い甘みを持つリーキの入った羊肉のスープはやっぱりたっぷり根菜が入っていたので塩肉じゃがみたいな味だと思ったことも懐かしい。
ハウス物は一年中出回っているらしいが、国産のリーキの旬は冬に入る前だというから、シーズンが近くなったら店長に自腹でもいいから入れてほしいと頼み込むつもりでいる。

そこからふわっと、シェパーズパイだのファゴットだの思いつくがどちらもスプリングラムを使うにはちょと惜しい気がする。
あれらは肉質がしっかりとしたマトンのほうが合うと約7年のイギリス生活が訴えた。
だから、今夜のレシピはちょっと海外の系統からは外したほうがいいかな、なんて思っていたころ]
(199) 2023/03/13(Mon) 0:31:04