【人】 1年生 朝霞 純>>190 [彼女はこちらを見ただろうか。 私は彼女とちゃんと目を合わせられただろうか。 記憶が戻って分かる、黒崎さんに感じた複雑さの理由、何故あんなことを言ってしまったのかの理由。>>0:269>>2:240 女の子だと知って、やっと分かった。 黒崎さんは優しすぎる。 その手に、背負わなくてもいい重荷すら抱え込んでしまう。 差し伸べなくていい人にも手を差し伸べて、その手に沢山のものを抱えて、自身の寄りかかる居場所は少なく、彼女が足を取られても隣で支える人はごくわずかで。 黒崎さん自身の優しさが、自分自身の本質より、誰かの理想を優先させているんだって気づいたから。 たとえ誰かの理想でなくとも、彼女自身の良いところは変わらないのに。それではダメだと。 それに無意識に腹が立って、差しのべられた手を払ってしまった。 私は支えられたくなかった、支える側になりたかった。 支える側になれないのなら、せめて重荷になるのをやめたかった。 彼女がたとえ普通の女の子のままで接してくれたとしても、あの時の私には支えるつもりなんてなかったくせに。そうして自分の我儘だけを押しつけて。 そう考えると、何から話せばいいのだろう。少し考えて。] (199) 2022/09/09(Fri) 8:38:22 |