人狼物語 三日月国

148 霧の夜、惑え酒場のタランテラ


【人】 砂の民 スティグ

[と、その時、少し離れた席から乾杯の音頭が聞こえてきた。>>168
声を上げたのは、恐らく東の出身の彼女だ。
東方も広いから、同じ国の出身だとは思わない。
むしろ何年か前まで戦っていた可能性すらある。

けれども、特に恨みはない。
何処の国だって、奪ったり、破壊したり、裏切ったり、殺したりしていた。
自分も同じだ。
そう思えば、彼女の国でも少なくとも戦争は終わったのだろうという意味での乾杯はしたくもある。
少なくとも、彼女が笑って乾杯をできる世の中になっているということは、嬉しかった。


けれども自分はまだまだ、この「出逢いへの乾杯」は取っておこう。
きっと、故郷の村で、友人と酒を酌み交わすことが出来た時、本心から今日の出逢いへの乾杯ができるに違いない。


お疲れ様。
戦後に乾杯。


と心の中で彼女に声を掛けつつ、彼女の方に向けて軽くジョッキを持ち上げた。]*
(200) wallander 2022/05/26(Thu) 21:04:40