【人】 1年生 朝霞 純あの、ごめんなさい。 レストランに連れてきてもらう前、酷いことを言ってしまって。 あの時、私のために、ああやって振る舞ってくれていたのを分かっていました。 それでも、あの時の私は、凄く、何をしてもいいような気分になっていて、自分だけが被害者のつもりで、あんなことを言いました。 黒崎さんも、津崎さんも、トラくんも。 あの時、関わってくれた皆さんが、私のことを心配しているって分かっていたのに。 その優しさを踏みにじることを、良しとしてしまった。 私は、凄く弱くて、現実から逃げたかった。 ここは夢だから、何もかもが偽物で、だから何でもしていいなんて、そんなことないのに。 私のしたことも、皆の優しさも全て夢だけど、現実だった。それに、気づきました。 だから、謝っても許されるようなことではないけれど、本当に、ごめんなさい。 [謝罪というのは狡い行為だ。 自分のしたことを許してくれと願う行為。 どんなに酷いことも、許してくれと言外に言い含める行為。 人を傷つけるのは簡単だけど、傷を癒すのは難しい。 この行動は、まだ癒えてない傷に、ともすれば塩を塗り込むのかもしれない。 それでも、これはけじめだから。] (200) 2022/09/09(Fri) 8:42:10 |