【人】 二年生 田邊 夕鶴[じっとしていられない年頃には、毎日のように外遊び。 当然、すぐ近くの商店街にも出入りしていて。 例えば。 遊びに行く度に、祖母が出してくれる和菓子。 たまたま切らしてしまっていた時に、 ええ!とがっかりしていたら、 「それじゃあお使いに行ってきて」とがま口財布を渡されて。 私の初めてのお使いは、老舗和菓子屋さんの水羊羹だった。 兄の、「夏だ!スイカ割りをしよう!」の一声で、 三人分のお小遣いをかき集めて 青果店まで兄弟みんなで走って行ったら、 一玉買うには足りなくて、店の前で呆然とした事もあった。 兄弟みんなの最初の自転車は、祖父が買ってくれた。 私にだけ「もっと可愛いのにしたら?」と言われたけれど。 「嫌だ、これがいい!」と選んだのは、 黒いラインの走る、格好良い子供用自転車。 補助輪付きのそれに乗り、家の周りでぶいぶい言わせていた。 嘘。今より人見知りだったので、一人の時に誰かと会ったら逃げました。 ] (204) 2021/07/22(Thu) 10:10:54 |