【人】 知情意 アマノ>>204ナフ あなたの想像通りであるが故に、それはあなたの自惚れにはなり得ない。 知っての通りだとは思うが。 飛び込んできたあなたを避けることなどありえない。辛うじて支えられたのは蘇生装置を壊してはまずいだろうという配慮故だ。もし勢いが殺しきれなくてもいいように、あなたを両腕で抱き締めはしている。 それから、あなたがずっと探していたその答えを。 自分がずっと持ち続けていた、待ち続けていたその言葉を聞いて。 色々思っていることや痛みもこの一瞬ばかりは押しのけられてしまう。 「――……私も、」 震えるほどに歓喜する。これをあなたから向けられることに、あなたもまた同じものを感じてくれている確信があるから、尚の事。 「私も君が好きだ。愛している。……すまない、私の死をあげられなくて」 囁くように言って頬を摺り寄せる。まだ赤い目元に残ったほんの少しの雫があなたの頬や髪に触れるかもしれないが、それを気にすることもなく。 (205) 2021/10/13(Wed) 16:34:28 |