【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 去り行く相手を振り返ることさえできず、>>203 機械はただ逡巡するしかなかった。 人真似をしても、機械の視界は変わらぬというのに。 それでも機械は辻褄を合わせるように 人の様に瞬きをし、表情を深く曇らせた。 是非、見解、沈黙。 問えば解が返って来るのは当然のことだった。 ましてや己らは"機械"である。 ――ならば、この 戸惑い は何だというのか。機械の片目が静かに閉じる。 監視システムの眼は、あらゆる"表面"を覗くもの。 それ以上の眼など持てる筈がなかった。 だが、―――― あぁ、親愛なる我が"友"よ。 ] (209) 2023/11/22(Wed) 2:29:38 |