【人】 3年生 黒崎 柚樹や、うん……大丈夫。 気にしないで? [投げられた言葉に心が抉られなかったとは言わないけれど。 でもそれは真実を突かれたゆえのことだし、そこは彼女の悪気の有無は関係なく、そもそもこんな、尋常ならざる状況下。 "謝る"という行為は本当に勇気が要ることで、臆病な私はと言えば、武藤に頬を打って貰って、漸く踏み出せたくらいだったのだから。] そもそも"許せない"なんて思ってた事でもないし、ほんとに。 でも言ってくれてありがとう。 勇気、必要だったよね。 [笑えた、と思う。王子様然の作り笑顔じゃなくて、本気の笑みを。] ああ……。 でも、その"ごめんなさい"に甘えて、 1つ聞いてもいいかな。 [彼女の胸の裡は知らない。 "支える側になりたかった"、"重荷になるのをやめたかった"という、意外にも強い芯を。 私にとっては、やっぱり彼女は"守られるべきもの"の位置に居る人には違いはなくて。] (209) 2022/09/09(Fri) 9:39:24 |