>>@23 メイサイ
「大丈夫じゃありませんよお……」
ぐすぐすと鼻までならします。
小さな体は蹲ると穴の中にすっぽり入ってしまっていました。
声の方を見上げると推定おばけさん。
「優しい……おばけじゃなかったんですね」
やっと安心して伸ばされた手を取ろうとして、当然ですがすり抜けて土を掴みました。
「お、おばけじゃないんですよね…?
過去の話し合いで亡くなった方とか……違いますよね?」
ハナサキは動揺ですっかり見学者の存在を忘れているようです。
逃げ場のない穴の中で後ずさりしようとして、背を土壁に擦りつけました。