【人】 狐娘 レイ[伸ばした手は今度こそ、彼の腕を掴んだ。] ……待って! この花冠、シャオロンが作ったのっ? 髪、髪は……っ、赤い髪…… 名前……っ、そう、名前っ……ロンって…… シャオロンって…… [掴んだ手の力がぎゅうと強くなる。 確かに捕まえかけた記憶の端。 消えかけてしまいそうで離したくなかった。 自分でも説明がつかず、戸惑いに脈絡のない言葉が紡がれる。 ヴィス族にいるはずのロンの代わりにいたのはシャオロンで。 でも、だったら、どうして。 私のことを覚えていないの? という考えまでには至らずに―――。**] (219) milkxxxx 2021/12/04(Sat) 1:22:40 |