【人】 受験生 雨宮 健斗[肘の上10センチから、手首の近くまで、 ミミズのように走る手術痕、引き攣れる皮膚、 まぁ確かにねぇ、と苦笑いしては、いつしか人の 集まる温泉には足が遠のいていたのだったが。 ] ま、いーか。 [入ることを決めたのは、温泉の魅力が勝った、 というよりは、ただただ山奥で寒かった、から。 そっと足を進めて、身体を洗ってから、湯に入る。 流石自慢なだけある、立派な温泉の湯は、 冷えた身体にちりちりと噛みつくようだった。 ] (224) 2020/11/25(Wed) 18:06:14 |