
![]() | 【人】 視覚喪失 エレノア『そうだ。ベリニ。 上手く伝わらないかもしれないけど…触ったものの感触を言葉にしてみるよ。 そうしたら、もしかしたら、少しは想像できるかもしれない。』 [そう言って、足元の感触を確かめる。 それから杖を頼りに土がふかふかしているところを探して、甘い匂いを嗅いで、そっと手を伸ばした。 手近な花に、触れる。] 『何ていう花だろう。すごく匂いが強いね。 花びらは柔らかい、ん、あれ?すごく大きい花だね。』 [その花は思ったよりも大きくて、存在感があった。匂いも強くて、自分の存在を主張しているようだ。 それが百合という花だと、見ることもできなければ、知ることもできないけれど。 目が見えなくても、そこにあるとはっきり分かるその花に、アタシは少し浮かれているのかもしれない。] (231) 2024/08/25(Sun) 21:40:08 |