【人】 学生 五反田 健吾─ キャンプファイヤー ─ [ 皆の食事が終わったあと程か、組まれた木に火が付けられる。 それを囲む人々は皆、何を思っているのか。少なくとも自分は綺麗な光景だなと、月並みなことを思っていた。 もうすぐダンスが始まるそうだが、知識では知っていてもやったこともないこと、挑戦しようだなんて思わなかったので少し離れたところに座ってぼんやりと火を眺めていた。 汐里を探すことも近藤を探すこともしない。こんな日くらい、様々な想いに囚われず、好きな人と過ごせればいいと思う。] ……おー。 [ ふと空を見上げて、目に映った景色に間抜けな声を上げた。満天の星空はきらきらと主張するかのように輝き、こちらを見下ろしている。 林間学校最終日、見る景色がこれでよかったとは、心の中で落としていた。*] (240) 2020/11/28(Sat) 20:28:56 |