【人】 3年 櫻井 快人 わかった、僕の負けだ。 一緒に、倖せを、探そうか。 [もしかしたら…もしかしたら。 この人は、僕を置き去りにしないかもしれない、なんて。 ささやかな期待を胸に抱いた。 そのささやかな期待が櫻井にとって、どれほどの勇気を必要とするものだったのか。 それは、いつか知ってくれれば良い。知ってくれる時が来たら良い。 いつか、笑い話にできるようになった時に。 願いを無音のまま唇に乗せ、掬った毛先に口付けた。**] (241) だいち 2020/11/16(Mon) 8:43:55 |