【人】 微睡む揺籃 アリア――出会いから一週間後・2―― >>205[ 「側にずっと居なさい」 思っていたよりずっと強いものだった。 メイベルの姿が視界にないと、落ち着かない気持ちになる。 メイベルとは別の方向に行こうとすると、足取りが重くなる。 その逆もまた真だった。 私の意志とは別のところで感情が動かされているみたいに、 ほっとしたり満足したり、そんな気分が生まれてしまうのだ。 感覚自体は快くても、どこかもやもやした気持ちになる。 一番それを感じるのは夜、眠る時間帯のことだった。] もー! 服、着てってば! 私、昨日もそう言ったのに。 [ 独特な形をしたベッドの上で大きなクッションを抱いて、 私はメイベルを睨んで言う。視線の先には裸身のままの彼女。 何ひとつ恥じらう様子もないのがまた腹立たしかった。] (245) 2020/10/20(Tue) 23:36:18 |