【人】 社会勉強 早乙女 珠梨 ― 回想/初日のこと― [座り込んでしまったら最後。頭もうまく上がらなかった。 戻らなきゃ、それはわかっていたけれど―― 遠くに響く波の音を聞きながら、 手前にあるはずの人の声は遠ざかっていくみたいで。 ぐるぐる回り出しそうな目をぎゅっと瞑っていた。 そんな耳元で聞こえた、だれかの声。>>238] ……ぁ、 [その人の姿をとらえる視界はぼんやりしてた。 あ、スタッフの人だ。それだけは認識して。] えと……すみません、迷子の子がいて 家族のひと探してたんですけど、なんか ひとりになったらぐらぐらしてきて…… [照りつける陽射しが遮られて、少し楽になった。 遅くなっちゃったよね。戻らなきゃ。] (248) 2022/07/28(Thu) 23:55:48 |