【人】 微睡む揺籃 アリア[ はぁ……とため息を吐いてキャミソールを脱いでいく。 彼女はこの城の主であり、ここに棲まう魔の眷属たちはみな 彼女が生み出したものばかりだという。 裸を晒すことに何も恥じらう必要もないのだろうけど、 私は違う、というのに。 広い空間を見回して、他に誰かの目がないか気にしてから、 下着ごと、すとんとミニスカートを脱ぎ落とした。] ねえメイベル、背中でも流そうか? ときどきしかお風呂、浸からないんだもの。 せっかくだから、しっかり洗ってあげる。 [ 私が生まれた国での生活習慣だから、と求めれば この浴室を一人で使う機会はあったのだけど、 私一人だけだと、どうしても落ち着かなくなってしまっていた。 仕方なく入浴をあきらめる日もあったのだ。 メイベルが居る今日なら違う。 心置きなくお風呂を楽しめるかもしれない。 そう考えれば気分も上がろうというものだった。]* (249) 2020/10/20(Tue) 23:54:11 |