【人】 帰宅部 雨宮 健斗[ どうぞ、と舞台を指差すスタッフに、頭を下げて。 客席の視線を感じながら、ピアノに向かう。 ちらりと二階に目をやって、 首元のネクタイを、ぐい、と引っ張って緩めた。 すう、と息を吸い込んで、背筋を伸ばして。 吹き出しそうになりながら、 爆速で、あの日>>0:34の【猫踏んじゃった】を弾く。 体育館の空気がざわついた。 構わず、続けてバイエルの練習曲を一節。 ピアノをやってるやつも多いのだろう、 くすくすと笑う声が耳に届いた。 それから、休符も挟まずあのゲーム音楽を>>0:63 アレンジを盛って弾けば>>0:66 どっかで聴いてるかな、と見知らぬあの日の セッション相手を思った。 ]* (249) 2020/06/19(Fri) 21:40:15 |