【人】 1年生 朝霞 純【日常を分かち合う】 >>213 [退院して、まだ松葉杖が取れないままに日常へと戻って、私はたまに工藤さんを行動を共にするようになった。 というのも、病室に度々顔を出してくれた、その延長線上のようなもので、人気のないスペースで一緒に課題に取り組んだり、カロリーメイトを食べてる横で野菜メインのお弁当を食べたり、時にはただぼうっと二人で何もせず虚空を見つめて時間を過ごしたり、そんな感じだ。 そのうちに工藤さんが、家に来てもいいと言ってくれて、流石に工藤さんの家の中を全部平常通りに保つ自信はなかったので最初はお断りしたのだけど。 私の家に招いても、工藤さんと私の家族の相性はすこぶる悪く、察するということが出来ない工藤さんと遠回しな表現を多用する家族とですれ違いが起き、私の部屋で休んでもらおうにも私の部屋にまで両親はやってくるわけで。 そも、アジアン系の小物や、中華系の瑞獣などの置物、小説や図鑑などが納められた本棚のある情報量の多い自室が居心地の悪いものだったかもしれないとも後で気づいて。 それらの要因が重なったこともあって、私は工藤さんの家の合鍵を受け取って、彼女の家に赴くようになった。] (249) 2022/09/19(Mon) 0:22:42 |