【人】 蕃神 雷恩 ――甘やかすんだね。 わかったよ。自分からの行動というのは慣れないが。 [それでも、望みを叶えたらどのような色を見せるのか。 というのは気になった。 貴女も、彼女も――「メディウム」が。 手を繋ぎ、己の自我の希薄さを聞く間。 無言の彼女は一体何を思っていたのか。 沈黙。 のちに、言葉は落ちる>>254] 強く感情を覚えないようにしているのか。 それは、どうしてだ? ――……命のことを知ることが。 桜花なども、興味を示していたから。命に触れて 知るというのは、そういった欲求を芽生えさせるのかもしれないね。 [それはとても「人」らしい。 ――時折響く「彼女」の声に。 自分に興味を得ているのだと囁く君の植物の部分に。 そして植物だけではなく、こちらの声にこたえようとする「君」に もっと何か返せたらいいのにと、思う感情の萌芽を、俺はいまだ自覚していない。*] (258) 2023/11/22(Wed) 22:53:08 |